Personal NISA handbook · 2026

NISA完全ガイド
大人から子どもの新制度まで

年間360万円? 生涯1,800万円? 売ったら枠は復活する? 忘れやすい仕組みを、あとで見返せる形にまとめました。

情報確認 2026-08制度解説保存版
年間投資上限360万円120万円 + 240万円
非課税保有限度額1,800万円取得価額で管理
非課税保有期間期限期限を気にせず保有
売却した簿価分翌年復活売却額ではない

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PART 1NISAの制度を理解する

まずは「枠」と「売却後の扱い」を押さえる。

そもそもNISAとは?

NISAは、専用口座で買った対象商品から生じる売却益や配当・分配金を非課税にする制度です。投資した元本そのものが非課税になる制度ではありません。

買った金額100万円
売った金額150万円
利益50万円

課税口座

利益に原則20.315%課税

50万円の利益なら税額は約10万1,575円。手取りの利益は約39万8,425円です。

NISA口座

対象となる利益は非課税

同じ50万円の利益でも税額は0円。ただし、手数料や元本割れのリスクは別にあります。

現行NISAの全体像

項目つみたて投資枠成長投資枠
年間投資枠120万円
月10万円 × 12か月
240万円
主な対象長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託一定の投資信託、ETF、上場株式など
併用同じ年に併用でき、合計で年間最大360万円
非課税保有限度額合計1,800万円(成長投資枠として使えるのは内数で最大1,200万円)
非課税保有期間無期限
両方を使う必要はありません。年間枠の未使用分は翌年に繰り越せません。
成長投資枠で使える部分最大1,200万円
残りはつみたて投資枠で600万円以上

全体の箱は1,800万円。成長投資枠はその箱の内側にある1,200万円までです。

「年間360万円」と「1,800万円」は何が違う?

NISAには、時間軸の違う2種類の上限があります。

今年の箱

年間 最大360万円

その年に新しく買える金額。使ったあと同じ年に売っても戻りません。

毎年、新しい箱が届く

NISA全体の箱

最大1,800万円

今まで買った商品の取得価額を合計して管理。売った取得価額分は翌年以降に戻ります。

残高を簿価で管理する箱
毎年120万円新しく購入
15年間同じペース
1,800万円簿価の合計

1,800万円を超えて値上がりしたら?

購入金額の合計1,800万円枠の判定はここ
評価額3,000万円
さらに上昇4,000万円

結論 評価額が1,800万円を超えても、それだけで課税されることはありません。

1,800万円は現在の評価額ではなく、基本的に買ったときの金額=取得価額(簿価)で管理される非課税保有限度額です。

売却すると、何がいつ復活する?

1,800万円の箱:取得価額分が翌年以降に復活

購入時100万円S&P500投信の例
値上がり後150万円この金額で売却
翌年以降に復活100万円売却額ではなく簿価

簿価とは、その商品を買ったときの取得価額です。この例で再利用できるのは150万円ではなく100万円です。

年間の箱:売った年には復活しない

成長投資枠を240万円使う
100万円分を同じ年に売る
同じ年に100万円追加?買えない

今年の年間枠売却しても復活しない

1,800万円の総枠売った簿価分が翌年以降に復活

NISA内で長期用と中短期用を分けられる?

長期用の例

将来に向けて保有

オルカンやS&P500連動型投信などを、老後・将来用として長期保有する考え方。

中短期用の例

数か月〜数年で売却

NISA内で持つこと自体は可能。ただし売買のたびに年間投資枠を使い、同じ年には戻りません。

NISA以外でもS&P500やオルカンは買える?

買えます。証券会社で取り扱いがあれば、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)やeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)などを、NISA口座・特定口座・一般口座で買えます。同じ金融商品でも、どの口座で買うかにより税務上の扱いが変わります。

項目NISA特定口座
利益への税金非課税原則20.315%
年間投資上限あり(最大360万円)原則なし
非課税保有限度額1,800万円なし
損益通算不可一定の上場株式等で可能
損失の繰越控除不可確定申告等の条件を満たせば3年間可能
短期売買可能だが年間枠に注意年間枠を気にせず行える
特定口座は金融機関が損益計算を行います。源泉徴収あり・なしで申告方法が異なります。
PART 2NISAをどう使うか考える

制度の上限ではなく、自分の目的と続けられる金額から考える。

1,800万円を全部埋める必要はある?

1,800万円は達成すべき目標額ではなく、NISAで利用できる制度上の上限です。

1いつ頃使いたいか
2何のために必要か
3いくら必要か
4今ある資産と運用できる年数
毎月の積立額を考える

教育、住まい、老後など、目的・時期・必要額は人によって違います。「枠が残っているから」ではなく、現在の資産と使うまでの期間を踏まえ、無理なく続けられる積立額を逆算する考え方が出発点です。

金額だけでなく、「時間」も資産形成の要素

投資結果は、入れる金額だけで決まりません。投資額 × 運用期間 × 運用成果という3つの要素が重なります。運用成果には変動があるため、コントロールしやすいのは「無理のない金額」と「続けられる期間」です。

Aさんの積立例

毎月3万円
30年間元本の合計は1,080万円

Bさんの積立例

毎月6万円
15年間元本の合計は1,080万円

投資元本は同じでも、運用にさらされる期間は異なります。これは運用成果の優劣を示す図ではなく、「時間」も大きな要素であることを示す例です。

複利とは?

元本100万円
仮に5%増えたら105万円
翌年さらに5%増えたら110.25万円

利益を再投資すると、その利益も次の運用対象になります。これが長く続くほど、複利的な効果が大きくなり得ます。

インデックス投資とは?

市場全体や特定の指数への連動を目指す投資信託・ETFなどへ投資する考え方です。多くの企業にまとめて投資する形になりやすく、個別企業1社だけに投資する場合と比べて分散しやすい特徴があります。

S&P500連動型

米国中心

米国を代表する大型企業約500社で構成される指数への連動を目指すタイプです。

全世界株式(オール・カントリー)

世界へ広く分散

日本・米国・欧州・新興国など、世界の株式市場に幅広く投資するタイプです。

毎月一定額を積み立てると?

たとえば毎月3万円で同じ商品を買うと、価格が高い月には少ない口数を、価格が安い月には多い口数を買うことになります。こうした定額の積立は「ドルコスト平均法」と呼ばれることがあります。

価格が高い月3万円 ÷ 高い価格買える口数は少なめ
価格が安い月3万円 ÷ 安い価格買える口数は多め

続けやすさ

自動積立にすれば、毎回の投資タイミングを判断せず、給与から一定額を資産形成へ回しやすくなります。

購入時期の分散

買付の時期を分けられます。一括投資と比べて必ず有利になる方法ではありません。

積立額を増やす、もう一つの方法

資産形成は、高い利益率を狙うことだけではありません。家計から無理なく継続して投資できる金額を作ることも大切です。

毎月5,000円使っていない固定費を見直す
毎月5,000円積立に回す
年間6万円10年間で元本60万円

例:使っていないサブスクリプション、通信費、保険など、毎月自動で出ていく費用を必要に応じて見直す考え方です。

50万円の余裕資金がある。全部NISAに入れる?

まずは、その50万円が本当に余裕資金かを確認します。

慎重に考えたいケース

数年以内に使う可能性がある

生活費、緊急用資金、引っ越し・住宅・車・教育などの近い支出に充てる予定があるなら、株式投資へ全額回すかは慎重に考えます。

検討の余地があるケース

当面使う予定がない

生活費や緊急用資金とは別で、10年以上使わないつもりの資金なら、NISAを使った長期投資を検討する余地があります。

「50万円あるなら全部入れる」という答えはありません。目的、必要になる時期、値下がりしたときに売らずに保有できるかを考えて判断します。

NISAは貯めるだけではなく、いつか使う

資産形成には、積み立てる時期だけでなく、使う時期があります。老後・教育・住まいなど、目的が近づいたら、必要な分を少しずつ取り崩すことも考えます。

1積み立てる目的に向けて
2育てる時間をかけて
3取り崩す必要な時期に
PART 3子どもNISAと家族で考える

制度の違いと、個人単位で考えるポイント。

旧ジュニアNISAとは?

2016年制度開始未成年向け・年80万円
2023年末新規投資終了いったん終了
2024年以降既存分のみ管理一定条件で非課税保有

旧ジュニアNISAは、現行NISAとは別制度です。2023年までに投資した商品は一定の仕組みで18歳まで非課税保有できますが、新規買付はできません。2024年以降は全額払出しが可能です(部分払出しではなく口座廃止)。

2027年1月スタート

新しい0〜17歳向けNISA

旧ジュニアNISAの単純な復活ではなく、現行NISAのつみたて投資枠を未成年に広げる制度です。2026年3月に関連法が成立しました。

対象年齢0〜17歳
年間投資枠60万円
非課税保有限度額600万円
項目大人のNISA0〜17歳向け
対象年齢18歳以上0〜17歳
年間投資枠最大360万円60万円
非課税保有限度額1,800万円600万円
投資対象つみたて枠 + 成長枠つみたて投資枠の対象商品
払出し制限なし原則制限あり。12歳以降は子のための一定の使途について、本人同意の書面を添え親権者等が手続
18歳到達後年間枠などが成人向け制度へ自動移行
開始現行制度は2024年2027年1月

月5万円なら、年間60万円

月5万円積立の例
12か月1年間
年60万円年間枠
年60万円同じペース
10年間例として
600万円未成年の総枠

10年で使い切る必要はありません。月額・期間は家計や目的に合わせられます。

家族全体で見るとどうなる?

NISAは世帯単位ではなく、一人ひとりに枠がある個人単位の制度です。

最大1,800万円
最大1,800万円
子ども A未成年期 最大600万円
子ども B未成年期 最大600万円

よくある勘違い

× 年360万円までしか保有できない

360万円は、その年に新しく買える上限です。

× 一生で1,800万円しか買えない

売った商品の取得価額分は翌年以降に再利用できます。

× 評価額が1,800万円を超えると課税

枠は取得価額で管理。値上がりだけでは課税されません。

× 売ればその場で年間枠が復活

その年の年間投資枠は戻りません。

× 新制度は旧ジュニアNISAと同じ

現行NISAのつみたて投資枠を未成年へ拡張する別制度です。

30秒で復習

大人NISA

120 + 240 = 年360万円

総枠
1,800万円
成長枠の内数
1,200万円
保有期間
無期限
売却
簿価分が翌年以降復活

0〜17歳向け

2027年1月開始

年間
60万円
総枠
600万円
12歳以降
本人同意等の要件で払出し
18歳
成人向け制度へ移行

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参照元と注意事項

情報確認日:2026年8月