Personal NISA handbook · 2026
NISA完全ガイド
大人から子どもの新制度まで
年間360万円? 生涯1,800万円? 売ったら枠は復活する? 忘れやすい仕組みを、あとで見返せる形にまとめました。
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まずは「枠」と「売却後の扱い」を押さえる。
そもそもNISAとは?
NISAは、専用口座で買った対象商品から生じる売却益や配当・分配金を非課税にする制度です。投資した元本そのものが非課税になる制度ではありません。
課税口座
利益に原則20.315%課税
50万円の利益なら税額は約10万1,575円。手取りの利益は約39万8,425円です。
NISA口座
対象となる利益は非課税
同じ50万円の利益でも税額は0円。ただし、手数料や元本割れのリスクは別にあります。
現行NISAの全体像
| 項目 | つみたて投資枠 | 成長投資枠 |
|---|---|---|
| 年間投資枠 | 120万円 月10万円 × 12か月 | 240万円 |
| 主な対象 | 長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託 | 一定の投資信託、ETF、上場株式など |
| 併用 | 同じ年に併用でき、合計で年間最大360万円 | |
| 非課税保有限度額 | 合計1,800万円(成長投資枠として使えるのは内数で最大1,200万円) | |
| 非課税保有期間 | 無期限 | |
全体の箱は1,800万円。成長投資枠はその箱の内側にある1,200万円までです。
「年間360万円」と「1,800万円」は何が違う?
NISAには、時間軸の違う2種類の上限があります。
今年の箱
年間 最大360万円その年に新しく買える金額。使ったあと同じ年に売っても戻りません。
毎年、新しい箱が届くNISA全体の箱
最大1,800万円今まで買った商品の取得価額を合計して管理。売った取得価額分は翌年以降に戻ります。
残高を簿価で管理する箱1,800万円を超えて値上がりしたら?
結論 評価額が1,800万円を超えても、それだけで課税されることはありません。
1,800万円は現在の評価額ではなく、基本的に買ったときの金額=取得価額(簿価)で管理される非課税保有限度額です。
売却すると、何がいつ復活する?
1,800万円の箱:取得価額分が翌年以降に復活
簿価とは、その商品を買ったときの取得価額です。この例で再利用できるのは150万円ではなく100万円です。
年間の箱:売った年には復活しない
今年の年間枠売却しても復活しない
1,800万円の総枠売った簿価分が翌年以降に復活
NISA内で長期用と中短期用を分けられる?
長期用の例
将来に向けて保有
オルカンやS&P500連動型投信などを、老後・将来用として長期保有する考え方。
中短期用の例
数か月〜数年で売却
NISA内で持つこと自体は可能。ただし売買のたびに年間投資枠を使い、同じ年には戻りません。
NISA以外でもS&P500やオルカンは買える?
買えます。証券会社で取り扱いがあれば、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)やeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)などを、NISA口座・特定口座・一般口座で買えます。同じ金融商品でも、どの口座で買うかにより税務上の扱いが変わります。
| 項目 | NISA | 特定口座 |
|---|---|---|
| 利益への税金 | 非課税 | 原則20.315% |
| 年間投資上限 | あり(最大360万円) | 原則なし |
| 非課税保有限度額 | 1,800万円 | なし |
| 損益通算 | 不可 | 一定の上場株式等で可能 |
| 損失の繰越控除 | 不可 | 確定申告等の条件を満たせば3年間可能 |
| 短期売買 | 可能だが年間枠に注意 | 年間枠を気にせず行える |
制度の上限ではなく、自分の目的と続けられる金額から考える。
1,800万円を全部埋める必要はある?
1,800万円は達成すべき目標額ではなく、NISAで利用できる制度上の上限です。
教育、住まい、老後など、目的・時期・必要額は人によって違います。「枠が残っているから」ではなく、現在の資産と使うまでの期間を踏まえ、無理なく続けられる積立額を逆算する考え方が出発点です。
金額だけでなく、「時間」も資産形成の要素
投資結果は、入れる金額だけで決まりません。投資額 × 運用期間 × 運用成果という3つの要素が重なります。運用成果には変動があるため、コントロールしやすいのは「無理のない金額」と「続けられる期間」です。
Aさんの積立例
毎月3万円Bさんの積立例
毎月6万円投資元本は同じでも、運用にさらされる期間は異なります。これは運用成果の優劣を示す図ではなく、「時間」も大きな要素であることを示す例です。
複利とは?
利益を再投資すると、その利益も次の運用対象になります。これが長く続くほど、複利的な効果が大きくなり得ます。
インデックス投資とは?
市場全体や特定の指数への連動を目指す投資信託・ETFなどへ投資する考え方です。多くの企業にまとめて投資する形になりやすく、個別企業1社だけに投資する場合と比べて分散しやすい特徴があります。
S&P500連動型
米国中心
米国を代表する大型企業約500社で構成される指数への連動を目指すタイプです。
全世界株式(オール・カントリー)
世界へ広く分散
日本・米国・欧州・新興国など、世界の株式市場に幅広く投資するタイプです。
毎月一定額を積み立てると?
たとえば毎月3万円で同じ商品を買うと、価格が高い月には少ない口数を、価格が安い月には多い口数を買うことになります。こうした定額の積立は「ドルコスト平均法」と呼ばれることがあります。
続けやすさ
自動積立にすれば、毎回の投資タイミングを判断せず、給与から一定額を資産形成へ回しやすくなります。
購入時期の分散
買付の時期を分けられます。一括投資と比べて必ず有利になる方法ではありません。
積立額を増やす、もう一つの方法
資産形成は、高い利益率を狙うことだけではありません。家計から無理なく継続して投資できる金額を作ることも大切です。
例:使っていないサブスクリプション、通信費、保険など、毎月自動で出ていく費用を必要に応じて見直す考え方です。
50万円の余裕資金がある。全部NISAに入れる?
まずは、その50万円が本当に余裕資金かを確認します。
慎重に考えたいケース
数年以内に使う可能性がある
生活費、緊急用資金、引っ越し・住宅・車・教育などの近い支出に充てる予定があるなら、株式投資へ全額回すかは慎重に考えます。
検討の余地があるケース
当面使う予定がない
生活費や緊急用資金とは別で、10年以上使わないつもりの資金なら、NISAを使った長期投資を検討する余地があります。
「50万円あるなら全部入れる」という答えはありません。目的、必要になる時期、値下がりしたときに売らずに保有できるかを考えて判断します。
NISAは貯めるだけではなく、いつか使う
資産形成には、積み立てる時期だけでなく、使う時期があります。老後・教育・住まいなど、目的が近づいたら、必要な分を少しずつ取り崩すことも考えます。
制度の違いと、個人単位で考えるポイント。
旧ジュニアNISAとは?
旧ジュニアNISAは、現行NISAとは別制度です。2023年までに投資した商品は一定の仕組みで18歳まで非課税保有できますが、新規買付はできません。2024年以降は全額払出しが可能です(部分払出しではなく口座廃止)。
2027年1月スタート
新しい0〜17歳向けNISA
旧ジュニアNISAの単純な復活ではなく、現行NISAのつみたて投資枠を未成年に広げる制度です。2026年3月に関連法が成立しました。
| 項目 | 大人のNISA | 0〜17歳向け |
|---|---|---|
| 対象年齢 | 18歳以上 | 0〜17歳 |
| 年間投資枠 | 最大360万円 | 60万円 |
| 非課税保有限度額 | 1,800万円 | 600万円 |
| 投資対象 | つみたて枠 + 成長枠 | つみたて投資枠の対象商品 |
| 払出し | 制限なし | 原則制限あり。12歳以降は子のための一定の使途について、本人同意の書面を添え親権者等が手続 |
| 18歳到達後 | — | 年間枠などが成人向け制度へ自動移行 |
| 開始 | 現行制度は2024年 | 2027年1月 |
月5万円なら、年間60万円
10年で使い切る必要はありません。月額・期間は家計や目的に合わせられます。
家族全体で見るとどうなる?
NISAは世帯単位ではなく、一人ひとりに枠がある個人単位の制度です。
よくある勘違い
× 年360万円までしか保有できない
○ 360万円は、その年に新しく買える上限です。
× 一生で1,800万円しか買えない
○ 売った商品の取得価額分は翌年以降に再利用できます。
× 評価額が1,800万円を超えると課税
○ 枠は取得価額で管理。値上がりだけでは課税されません。
× 売ればその場で年間枠が復活
○ その年の年間投資枠は戻りません。
× 新制度は旧ジュニアNISAと同じ
○ 現行NISAのつみたて投資枠を未成年へ拡張する別制度です。
30秒で復習
大人NISA
120 + 240 = 年360万円
- 総枠
- 1,800万円
- 成長枠の内数
- 1,200万円
- 保有期間
- 無期限
- 売却
- 簿価分が翌年以降復活
0〜17歳向け
2027年1月開始
- 年間
- 60万円
- 総枠
- 600万円
- 12歳以降
- 本人同意等の要件で払出し
- 18歳
- 成人向け制度へ移行
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情報確認日:2026年8月